環境省では、地中熱利用の省エネ効果や排熱を大気中に放出しない特徴が地球温暖化防止やヒートアイランド対策技術として期待できるとし、 その普及について調査を行い公表しています。
新潟県内では2012年以降、設置件数が急速に増えています。2024年12月時点で累計設置件数は181件に達しました。
2012~2013年の2年間での新潟県設置件数の伸び数は、北海道、秋田県に続いて全国3位となっています。これは、2011年10月の家庭用地中熱利用ヒートポンプ コロナジオシスの発売と2012年2月の新潟県地中熱利用研究会(現 促進協議会)の発足と時期を同じくしています。
導入箇所は全3,436件のうち、戸建住宅が1,303件(37.9%)と最も多く、次いで事務所464件(13.5%)、庁舎等334件(9.7%)、農業施設204件(5.9%)で多く導入されています。その他に工場、学校、保育園、医療施設や福祉施設、道路・駐車場など多岐にわたって利用されています。
新潟県内でも同様の傾向がみられ、住宅、事務所、公共施設、農業施設の割合が高くなっています。
用途別では、空調(冷暖房)が大半ですが、新潟県という土地柄を反映し、融雪にも多く利用されています。
このように、近年急速に普及が進んでいる背景には、国の再生可能エネルギー施策の中に地中熱が取り入られるようになり、補助金制度も整いつつあること、東日本大震災以降、国内における再生可能エネルギーへの関心が高まったことなどが考えられます。
また、これを後押しするように、地中熱利用ヒートポンプ市場および地中熱交換器(Uチューブ)市場への国内メーカーの参入が続いて、ユーザーが地中熱を導入しやすい環境も整ってきたことも一因にあると考えられます。